The Adyen Index

オンライン小売企業の成功のカギは「効率化」と「顧客体験」

Adyen Index - オンライン小売

オンライン小売企業が成功するには、この2つの微妙なバランスを保てるかどうかにかかっています。本レポートでは、業務の効率化と優れた顧客体験の関係性を掘り下げて検証し、持続可能な成長につなげる方法を考察します。

オンライン小売業界における効率性の追求

機会

コロナ禍でビジネスの拡大と急成長に焦点を合わせていたオンライン小売企業は、ビジネスの拡大とさらなる収益の創出に焦点を移行しつつあります。

オンライン小売業界に関して言えば、効率化にはいくつかの重要な領域をまたぐ多面的な働きがあります。まず、効率化を通してグローバルな機能横断型のチームを管理したり、複雑な業務を合理化したり、さまざまなチャネルにわたる販売を最適化できるようになれば、ビジネスの成長と拡大につながります。

また、複数の契約、サプライヤー、レポート方法を統合することで、複雑性に対応し、あらゆる業務をスムーズに進められるようになります。

さらにリスク管理においても極めて重要な役割を果たします。不正利用を検知・防止し、迅速に対処できるようになることで、企業は自社の収益を守り、顧客の信頼を維持できます。

Adyen Index - オンラインショッピング

当社の調査では、いくつかの大きなトレンドが明らかになりました。

  • 新たなチャネルの台頭:従来のチャネル(ウェブサイト、アプリ、マーケットプレイス)が引き続き主流であるものの、新しいチャネルが勢いを増し、収益を創出しています。日本のオンライン小売企業は、ソーシャルコマース(73%)およびサブスクリプションサービス(71%)を通して大幅に成長したと報告しています。

  • 顧客体験を重視:オンライン小売企業は、これまで以上に顧客体験を優先するようになっており、多くの企業がデジタルウォレットや国際的な決済方法、ワンクリック・チェックアウトなどの機能を提供しています。

  • パーソナライゼーション:日本のオンライン小売企業にとって、パーソナライゼーションは引き続き課題になっています。顧客の効果的な分類に苦心している企業は全体の28%、顧客体験をパーソナライズするための技術インフラが整っていない企業は全体の24%に上ります。

日本でもソーシャルコマースが急成長

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の日本のオンライン小売企業は、ソーシャルコマース参入後に収益が増加したと報告している


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の日本の消費者は、過去12か月間にソーシャルメディア経由で商品を購入したことがある


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の日本の消費者、はソーシャルメディア経由で1か月に10回以上商品を購入している


約2回/月

日本の消費者がソーシャルメディア経由で商品を購入する平均回数


約16,070円

ソーシャルメディアチャネルでの平均購入価格


ソリューション

決済手数料の最適化 透明性のある価格設定とコスト効率の高い決済方法を提供することで、Adyenは企業が取引手数料の他の決済関連費用を最小限に抑えられるよう支援します。

不正利用の防止 不正利用を検知・防止する高度なツールを使用して不正取引を最小限に抑え、収益を守り、チャージバックと異議申し立てに伴う業務コストを削減します。

業務の合理化 プロバイダーを1社に絞って決済に関するあらゆるニーズを統合することで、照合プロセスを簡素化し、複数の接続を管理する複雑さを低減できます。

データを活用した意思決定 包括的な決済データにアクセスすることで、マーケティング戦略や在庫管理、リソースの配分に関する意思決定を十分な情報に基づいて行い、結果的にビジネス全体の効率化に貢献します。

リスクプロファイル

「Adyenはイノベーションを推進する上で貴重なパートナーであり、Onの成長戦略の鍵となる部分として、決済を見直す手助けをしてくれました。シングルプラットフォームはすべての業務を合理化してくれて、新しい決済方法の展開も簡単かつスピーディーに。データ主導のインサイトにより、新たなビジネスチャンスも見えてきます。」

松尾僚介氏 On Tokyo、アソシエイト ストアリーダー

顧客の心を掴む:オンライン小売業界における顧客体験の力

機会

オンライン小売企業にとって、顧客体験(CX)は大きな差別化要素になっています。消費者の期待値は高まり、利便性、パーソナライゼーション、スムーズなコミュニケーションが求められています。こうした期待に応えられない場合、カゴ落ちや販売機会の損失につながる可能性があります。

当社のデータは、以下のような重要なインサイトを示しています。

  • パーソナライゼーションの重要性:26%の日本の消費者は、自分の好みを把握したうえで購入体験をカスタマイズしてくれる小売企業を好みます。これは、データを活用した商品提案や、マーケティングメッセージ、ロイヤルティプログラムのパーソナライズの必要性を示しています。

  • サブスクリプションサービス:日本の消費者の16%は、サブスクリプションサービスを提供する小売企業により強いロイヤルティを感じています。これは、継続収益モデルおよび顧客とのより強固な関係構築の機会があることを示しています。

  • 幅広い決済オプションが必須:日本の消費者の三分の一以上は、好みの決済方法を利用できないことが理由で購入を取りやめます。これは、デジタルウォレット、BNPL(後払い決済)、グローバルまたはローカルの決済方法を含む多様な決済オプションを提供することの重要性を示しています。

新しいテクノロジーの台頭により、顧客の期待は変化しています。ソーシャルコマースが勢いを増す中、過去1年でTikTok Shop、Instagram Shop、Facebook Marketplaceなどのソーシャルメディアプラットフォームを使って商品を購入した消費者は29%に上ります。つまりそれは、ソーシャルメディアでのシームレスな購入体験の重要性が増していることを示しています。

さらに、フリクションレスな決済へのニーズは大きく、日本の消費者の約5人に1人がワンクリックの決済オプションを優先しています。これは、チェックアウトプロセスを効率化し、手間を最小限にしてスピードとコンバージョン率を最大化する必要性を明確に示しています。

モバイルショッピング

ソリューション

決済方法とチェックアウト体験 地域ごとに適切な決済方法を提供することで、世界中の買い物客のコンバージョンを実現します。自社のブランドに合ったチェックアウト体験を実現してカゴ落ちを減らし、すべてのデジタル販売チャネル(ウェブ、アプリ、ソーシャルなど)のコンバージョン率を高めます。

パーソナライゼーションツール Adyenはデータを活用してターゲティングしたマーケティングキャンペーンや、不正利用防止対策、決済パフォーマンスの最適化、より深いカスタマーエンゲージメントに役立つインサイトを提供します。

顧客情報を安全に保管 さまざまなツールを使って顧客のカード情報をトークン化し、決済のフリクション(摩擦)を減らし、顧客がワンクリックで支払いを行えるようにします。また、定期支払いを受け付け、決済データを自動的に更新することで、顧客が意図しない解約を防ぎます。

チェックアウト時にロイヤルティを高める 顧客の決済情報を保存できるオプションを提供することで、ロイヤルティと次回購入のコンバージョンを高めます。また、チェックアウト時に寄付を通して社会貢献できる機会を顧客に提供することもできます。

サブスクリプションが生み出すロイヤルティ

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の日本の消費者は、サブスクリプションサービスを提供する小売企業により強いロイヤルティを感じている


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の日本のオンライン小売企業は、すでに何らかのサブスクリプションサービスを顧客に提供している


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の日本のオンライン小売企業では、サブスクリプションサービス導入後の収益が増加している


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の日本のオンライン小売企業は、収益を伸ばすために2024年中にサブスクリプションモデルの導入を予定している


「当社はグローバルでオムニチャネルのビジネスを行なっていますが、 非常に個人的なサービスも提供できます。より多くのデータに基づき、 個人の嗜好に合わせたサービスを実現することで、お客様一人ひとりに 的を絞った体験を可能にしているのです。」

Jan Philipp Wintjes 氏 HUGO BOSS、グローバルオムニチャネル担当EVP

結論

オンライン小売市場の進化

決済の最適化は収益に直結するため、すべての小売企業の成長戦略で優先すべき要素です。決済を最適化することで大きな財務インパクトを生み出し、効率性が向上し、事業の拡大が加速。適切な方法で決済テクノロジーを活用すれば、戦略的な成長を促進できます。

オンライン小売業界の変化する状況を乗り切るには、社内の努力だけでは不十分です。目標を達成するには、適切なソリューションプロバイダーと連携することが非常に大切です。

  • 包括的なソリューション:統合プラットフォームと一体化された機能で自社のニーズに対応できるプロバイダーを選択し、すべてのデジタルチャネルにわたるあらゆる決済情報を一元化することで、顧客や業務全体を一体的に把握できるようになります。

  • データに基づいたインサイト:顧客行動に関する貴重なインサイトを獲得し、戦略的な意思決定に役立つ詳細な分析機能とレポート機能を提供できるパートナーを見つけることが重要です。

  • グローバル展開と専門知識:世界展開を目指している企業は、自社の事業拡大戦略に対応できる、豊富な経験とグローバルネットワークを持つパートナーを選択する必要があります。

効率化と顧客体験を優先し、適切なソリューションプロバイダーと連携することで、オンライン小売企業はデジタル環境の中で自社が持つ可能性を最大限に引き出し、競争力を獲得することができます。

決済は「売上を伸ばす原動力」に