グローバルコミュニティのためのシームレスなオンライン決済

グローバルなイノベーターとしてのMetaの影響力は否定しようがありません。決済はMetaの広範な目標をどのように支えているのでしょうか？

Dave Wolf氏：Metaのテクノロジーは、Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppなどのアプリ群やその他のサービス群、またMeta Questを含むReality Labsを通じ、世界をより身近なものにすることで、グローバルなつながりとビジネスの成長を促進しています。

決済機能は、広告からショップ、クリエイターや開発者への振り込み、さらにはMessengerやWhatsAppのP2Pに至るまで、Metaのプラットフォームの多くの体験を支える基盤となっています。当社は、ハードウェア、ソフトウェア、ゲーム内課金の決済も可能にし、これらすべての多様な事業分野にわたって、世界トップクラスの決済体験を提供することに注力しています。

Metaの決済に関する目標を達成するために、このパートナーシップはどのような発展を遂げてきたのでしょうか？

Dave Wolf氏：Adyenは2013年から当社の成長を支えてくれています。当初は、広告の支払いとクレジットカードのサポートをしてもらっていましたが、現在は数十か国での決済手段の導入支援も受けています。

Adyenは当社の最も戦略的な決済パートナーの一つです。変化し続け、ますます複雑化するグローバルな決済環境を乗り切るために、当社はAdyenを頼りにしています。

Gary Yang：Adyenも過去10年間で成長を遂げ、Metaとのパートナーシップも現在ではさらに広い領域にまで拡大していますが、今でも変わらないのは、スピード感を持って継続的にイノベーションを起こし、共にビジネス価値を発見して提供しようとする姿勢が大きな影響や効果をもたらすということです。この姿勢は、私たちが共に開発している新商品や、協業を通じて最適化を図っている既存の決済方法にも表れています。

Metaの決済プラットフォームは、さまざまなオーディエンスにどのようにサービスを提供しているのでしょうか？また、すべての人に最高の体験を提供することを目指す上で、どのような課題があるのでしょうか？

Dave Wolf氏：私たちは、一般消費者、小規模事業者、大企業、クリエイター、開発者など、さまざまなオーディエンスの決済体験をサポートしています。これらの多様な層に決済サービスを提供するには、規律あるオペレーションが大切です。つまり、当社の全アプリのあらゆる入金・出金体験にわたって、最高のパフォーマンスをグローバルに確保する必要があります。

これらの決済体験を最適化するためには、Adyenのようなパートナーとの協業が不可欠です。Adyenは、グローバルおよびローカルネットワークを含む業界のプレイヤーによる最新の決済状況に精通しており、関連する規制のトレンドについても熟知しています。Adyenは、決済処理の多くの側面で、今後起こり得る変化や機会に先んじて対応できるよう、当社をサポートしてくれています。

Gary Yang：特にMetaのようなグローバル企業にとっては、法人向け決済プラットフォームの運営は複雑です。ユースケースや地域ごとに、戦略、機能、コンプライアンス、効率性を考慮する必要があります。そこで私たちは、加盟店様の多岐にわたるニッチなビジネスニーズに対応するための単一のエントリーポイントとして機能する統合プラットフォームを構築しました。これは、Metaのさまざまな顧客(人気インフルエンサー、成長企業、ゲーマー、一般消費者など)のコンバージョン率を促進できるように構築された、進化し続ける決済商品を提供することを意味します。私たちは、こうした取り組みに加え、当社の商品と業界トップクラスの決済専門家によるサポートを組み合わせて提供し、多様なニーズに対応した助言や協業を行っています。

Metaのような企業と数十年にわたって取引してきた経験により、当社は豊富な知識と機敏さを身につけることができました。また、私たちはニーズが急速に進化する可能性も理解しています。現在のバリューチェーンへの投資を継続し、同じプラットフォーム上で振り込み、発行、資金調達などの金融商品を構築すれば、デジタル顧客に大きな価値をもたらすだけでなく、ユーザーや顧客のあらゆる要求に長期的に応えられる拡張可能なソリューションも提供できるようになります。

Metaが決済の最適化の目標達成を目指す上で、このパートナーシップはどのように役立ってきましたか？

Dave Wolf氏：私たちは、オンボーディングから、決済処理、取引後のサービス提供に至るまで、決済のあらゆる段階を最適化するべく努めています。承認率、不正利用の低減、決済のコンバージョン率、処理のレイテンシー（待ち時間）、コスト効率などのあらゆる領域で継続的に改善を図っています。たとえ1ベーシスポイント分でも、改善の意味はあります。

Adyenとは、トークン化を含む数多くの決済最適化の実験を行ってきました。こうした協業を通じ、当社が事業を展開している一部の主要国では成功率を大きく向上させることができました。

Gary Yang：決済最適化の仕方は、顧客によって異なります。商品面では、Adyenは大規模かつ豊富なデータエコシステムを活用して各種機能を構築し、顧客の意思決定の改善、スピードの向上、大々的な決済の最適化を支援しています。またWolf氏が述べたように、顧客のビジネス戦略、課題、リソース、価値観を深く理解することも重要です。その結果、顧客に合った提案を行えるようになります。Metaの先進的な考え方は、当社のアイデアや将来の商品ソリューションに磨きをかける助けとなっています。

Metaの決済プラットフォームは大規模ですが、拡張性と業務効率をどのように確保しているのでしょうか？

Dave Wolf氏：効率性と業務の拡張性は、常に私たちの最優先事項であり続けてきました。Adyenの単一のAPIのおかげで、接続内容に変更を加えたり、新しい決済手段を追加したりするのも簡単です。Adyenのプロダクト＆エンジニアリングチームは、当社と考えを共にする真のパートナーであり、Adyenのレポーティングや突合ソリューションは、当社の財務や会計のニーズを満たしています。大々的なソリューションを提供してくれるAdyenのような信頼できるパートナーは、当社にとっては特に重要です。なぜなら当社のリソースは有限で、エンジニアリング施策に常に優先順位をつける必要があるからです。

Gary Yang：当社の単一ソリューションプラットフォームは、決済代行システム、処理、アクワイアリング機能、そして本人認証や不正利用リスク管理などのソリューションを一か所で接続します。つまりMetaは、グローバル規模での単一の接続により、最適化の目標を効率的に実行に移すことができます。それがたとえ決済のコンバージョン率の向上や代替カードブランドの調査などであっても、すべて当社のAPIを介してシームレスに管理されます。さらにAdyenは、規制の変更、ネットワーク規約の更新、さらには地政学的な変化にも商品がうまく対応し、最適化できるように更新を行っています。これにより加盟店様は、最適化の目標に向けて100%集中して取り組めるようになります。

Metaの決済プラットフォームは、過去10年間にわたり、同社のミッションとグローバルな成長にどのような形で貢献してきたのでしょうか？

Dave Wolf氏：決済は本質的にローカルなものですので、当社は現地の決済手段を早期から取り入れてきました。私たちは、Adyenのようなパートナー企業と共に常に市場動向を調査し、各市場でユーザーが何を求めているかを把握しています。当社は、ユーザーが望む方法で、できるだけ摩擦やストレスなしに決済を行えるようにしたいと考えています。

私たちは、ベトナムのMomo、インドネシアの銀行振込、ブラジルのPix、インドのUPIなど、最も利用しやすい現地の決済手段を提供することにより、当社のプラットフォームを利用する消費者や企業に向けて、可能な限りシームレスな決済体験を実現したいと考えています。このような極めてローカルな体験を世界中で可能にする上で、Adyenは、当社にとって非常に重要なパートナーです。

Gary Yang：Metaが広告を通じて企業が新たな地域や場所で成長できるようサポートする専門知識を持っているのと同様に、Adyenは、法人顧客が決済機能を通じて新たな地域へビジネスを拡大できるよう支援するエキスパートです。私たちは、世界各地のライセンスの取得とインフラに多額の投資を行うことで、法人顧客のグローバル展開をサポートして、世界のどこでも同一のプラットフォームとAdyenの接続サービスを提供しています。

Wolf氏が述べたように、決済の文化を学び、現地の決済手段を用意することは、この戦略の重要な要素です。当社は何よりも現地の市場を理解し、顧客にとって最も便利な現地の決済方法を選ぶことで、成長を促進し、拡張性を確保しています。

AdyenとMetaが協業すれば、イノベーションに限界はありません。新しい販売チャネルの開拓から最先端の決済商品の導入に至るまで、10年にわたるパートナーシップは今後も進化し続けます。また、コンバージョン率の最適化から複雑な規制への対応までをカバーする緊密な協業を通じ、世界トップクラスの決済体験を継続的に提供していきます。

両社は将来を見据え、電子決済の次なる時代を形作るという使命に向けて、団結して取り組んでいます。