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クレジットカードによるオンライン決済を導入するには?メリットや注意点について

オンライン決済で多くの人が利用するクレジットカード決済。この記事では、クレジットカード決済のメリットとデメリット、導入する際の注意点について解説します。

11月 17日, 2024
 ·  5 分

多くの人がオンライン決済で利用しているクレジットカード決済。クレジットカードによるオンライン決済を導入すると、利用者の利便性が高まり、売上拡大につながる可能性があります。 この記事では、クレジットカード決済の導入による利用者側・加盟店側のメリットやデメリット、導入する方法、導入にあたっての注意点などを解説します。

オンライン決済とは?

オンライン決済とは、商品やサービスの代金の支払いをインターネット経由でおこなう方法です。紙幣や硬貨をやりとりすることなくオンラインで決済が完了するため、遠隔地間や非対面でもリアルタイムで取引ができます。

クレジットカード決済とは?

クレジットカード決済とは、クレジットカードを利用して商品やサービスを購入する決済方法です。 クレジットカード決済の特徴は、カード会社がカードを発行する際に審査をして利用者の信用を証明しているため、後払い(ポストペイ)を可能にしているという点です。 クレジットカード決済では、利用者がクレジットカード決済をすると、クレジットカード会社や決済代行会社が代金を一時的に立て替えます。後日、クレジットカード会社が利用者に代金を請求し、利用者はクレジットカード会社からの請求を受けて代金を支払います。 クレジットカード決済はオンライン決済のなかでも代表的な決済方法ですが、オンライン決済には他にもQRコード決済やコンビニ決済などの方法があります。 オンライン決済について、より詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。 >>オンライン決済(Web決済)の種類は?特徴やメリット、導入方法について

クレジットカードによるオンライン決済の導入が求められる背景

経済産業省では、「2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にする」という目標を掲げています。同省の算出結果によると、2023年度のキャッシュレス決済の比率は39.3%(昨年比+3.3%)。そのうちクレジットカード決済は83.5%を占めており、クレジットカード決済が主要な選択肢となっていることがわかります。

そのため、これからオンライン決済を取り入れる事業者においても、変わらず導入が求められるでしょう。

【キャッシュレス決済比率】

キャッシュレス決済比率

2019年

26.8%

2020年

29.7%

2021年

32.5%

2022年

36.0%

2023年

39.3%

【キャッシュレス決済比率の内訳】

クレジットカード

2019年

89.7%

2020年

86.8%

2021年

85.3%

2022年

84.5%

2023年

83.5%


デビット

2019年

2.1%

2020年

2.5%

2021年

2.8%

2022年

2.9%

2023年

2.9%


電子マネー

2019年

5.8%

2020年

6.0%

2021年

6.0%

2022年

6.1%

2023年

6.4%


コード決済

2019年

1.2%

2020年

3.7%

2021年

5.6%

2022年

7.1%

2023年

8.6%

出典:経済産業省「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

【利用者側】クレジットカード決済のメリット

ここでは、利用者側からみたクレジットカード決済のメリットをご紹介します。

支払いにかかる手間を省ける

クレジットカード決済では、利用者はクレジットカードがあれば手元に現金がなくても買い物ができます。現金を引き出すためにATMを探し回ったり、振込のために銀行に出向いたりする必要はありません。 また、時間や場所の制約を受けることなく、好きな場所から商品やサービスを購入できます。

ポイントや特典などの優待サービスを利用できる

クレジットカード会社の多くでは、利用額に応じたポイントのプレゼントやキャッシュバックのサービスを用意しています。貯まったポイントは商品と交換できたり、支払代金に充当できたりするため、現金で支払うよりもお得に買い物ができます。 クレジットカードによっては年会費がかかるものもありますが、使い方次第では会費以上のサービスを実感できる場合もあるでしょう。

購入商品やサービスを早く受け取れる

加盟店によっては、ECサイトで買い物をしても入金が確認できなければ商品の発送をおこなわない場合もあります。しかし、クレジットカード決済は即時に決済処理がおこなわれるため、支払いから商品やサービスを受け取るまでのタイムラグが短くなるメリットがあります。

お金の管理がしやすい

クレジットカードを利用するとWebで利用明細を確認できるため、どこで、何に、いくら使ったかが一目瞭然です。家計管理をしている場合は、買い物時になるべくクレジットカードで決済をすることで支出管理の負担が軽減できるでしょう。 また、クレジットカードによっては利用額の上限を設定できるため、使い過ぎ防止にもつながります。 その他、分割払いができる点もクレジットカードのメリットです。分割払いにより、まとまったお金をすぐに準備できなくても大きな買い物ができるようになります。

【加盟店側】クレジットカード決済を導入するメリット

クレジットカード決済の導入は加盟店側にも多くのメリットがあります。ここでは、代表的なメリットをご紹介します。

新規顧客の獲得につながる

先ほどご紹介したとおり、経済産業省の統計によるとキャッシュレス決済比率は増加傾向にあり、そのなかでもクレジットカード決済の比率は約8割を占めています。 そのためクレジットカードを導入すれば、オンライン決済利用者の多くに利便性を提供でき、これまで獲得できていなかった顧客層にアプローチできる可能性が高まります。

さまざまな利用者の決済に対応できる

クレジットカード決済では1回払いだけでなく、分割払いやリボ払い、ボーナス払いなど、利用者の経済事情に合わせた支払方法を提示できます。高額な商品やサービスであっても、支払いのタイミングを分散することで利用者の負担を軽減できるため、購買意欲を高める効果が期待できます。

リピーターを獲得しやすい

クレジットカード決済は自動引き落としが可能なため、サブスクリプション(定期購入・定期購買)型のビジネスモデルと相性がよい傾向があります。 例えば、フィットネスクラブの毎月の会費が現金払いだとしたら、利用者は会費を毎月用意して受付で支払うことになります。フィットネスクラブ側は領収証を発行し、場合によってはおつりを渡さなければなりません。 しかし、クレジットカード払いであれば毎月決まった日に会費が引き落とされるため、利用者とフィットネスクラブ間でのスムーズに決済ができます。支払いの手間が省ければ、商品・サービスの継続購入やリピーターの獲得につながるでしょう。

代金未回収のリスクやキャッシュフローへの影響が少ない

利用者がクレジットカードで決済がおこなうと、アクワイアラーや決済代行会社が商品代金を立て替えて支払うため、加盟店は代金未回収のリスクを軽減できます。また、前述したとおりクレジットカードの保有者はカード会社の審査である程度の支払能力が担保されているため、他の決済方法に比べて利用者が支払不能に陥るリスクが低い点もメリットといえるでしょう。 さらに、クレジットカードは即時で決済されることから、入金サイクルが短いという特徴があります。そのため、販売と入金のタイムラグによって加盟店の資金繰りが悪化するリスクも軽減できます。

購買データの蓄積と活用が可能になる

クレジットカード決済を導入すると、利用者の購入日や購入商品、購入金額、利用頻度といった情報が蓄積されていきます。 蓄積した購入情報からおすすめ商品を提案したり、特定の利用頻度や購入金額といった要件を満たした人向けに顧客満足度を高めるキャンペーンを企画したりするなど、マーケティング活動にも有効に活用できます。

クレジットカード決済を導入する方法

クレジットカード決済を導入するには、主に2通りの方法があります。ここからは、各導入方法について詳しく解説します。

クレジットカードブランドとの直接契約

クレジットカード決済を導入する1つ目の方法は、クレジットカードブランドと直接契約するという方法です。決済ごとにかかるのはクレジットカードブランドへの手数料のみで、決済代行会社と契約するケースより手数料が抑えられる傾向にあります。 ただし、複数の国際ブランドを利用する場合は、それぞれのクレジットカードブランドの審査を受けたうえで契約をしなければなりません。さらに、各クレジットカードブランドの要件に合わせた決済システムの構築も必要となります。セキュリティ対策なども自社で用意しなければならないため、導入にあたっては労力がかかります。

決済代行会社の利用

2つ目の方法は、決済代行会社を通じて複数のアクワイアラーと契約をする方法です。これにより、各アクワイアラーとの個別契約や審査にかかる手間を軽減できます。また、窓口が一本化されることで締日や入金日も合わせやすいため、管理や運用にかかるコストも減らせます。 オンライン決済では、セキュリティ対策としてPCI DSSに準拠した決済システムの導入が必要になったり、不正利用対策や情報漏洩対策が必要になったりする場合があります。このような場合でも、決済代行会社であればニーズに応じた決済方法やオプション機能を提案、追加導入してもらえるでしょう。 ただし、決済代行会社を通じてクレジットカード決済を導入する場合、各種サポートが充実している分、決済手数料やサービス利用料といったコストが直接契約に比べて高くなる傾向にある点は把握しておきましょう。

クレジットカード決済を導入する際の注意点やポイント

クレジットカード決済の導入にあたっては、アクワイアラーや決済代行会社など多くの選択肢があるため、何を基準に選んだらよいかわからない人もいるでしょう。ここでは、導入時の注意点やポイントを解説します。

導入にかかるコスト

クレジットカード決済を導入する際には、初期費用や月額費用などコストがかかります。ただし、アクワイアラーや決済代行会社によって導入にかかるコストは異なりますので、事前に確認をしましょう。

決済処理にかかる手数料やコスト

前述したとおり利用者がクレジットカード決済を利用すると、加盟店には決済手数料がかかります。決済手数料の相場は、業種や店舗の規模、取り扱う商品によっても異なりますが、クレジットカードの売上金額に契約時に定めた料率をかけて計算します。 なお、多くの決済サービスでは、加盟店規約により利用者に手数料を請求することができません。

セキュリティ対策

クレジットカード決済では多くの利用者の個人情報を扱うため、情報漏洩のリスクに備えなければなりません。また利用者が不正利用に遭うと、加盟店はチャージバックによる損失を被る場合があります。チャージバックとは、クレジットカードの不正利用や商品の未発送、商品の破損などの理由で利用者が決済に同意しない場合、クレジットカード会社が利用者に返金をする仕組みのことです。 仮にクレジットカードの盗難やカード情報の漏洩などで不正利用が発生した場合、利用者が代金の支払いに同意することはないでしょう。利用者が代金の支払いに同意しなければ、クレジットカード会社がその利用者に返金をおこない、加盟店はカード会社に返金しなければなりません。商品がすでに利用者に届けられている場合、返品される可能性は低いため、加盟店は損失を被ります。 こうしたリスクを未然に防ぐためにも、クレジットカード決済を導入する際は、以下のような対策を講じている決済代行会社を選ぶことが大切です。

PCI DSSへの準拠

説明

・クレジットカード会社5社が作成した情報セキュリティ基準「PCI DSS」

・PCI DSSに準拠していれば、不正利用にあってもカード会社からのペナルティが免責される可能性がある


カード情報のトークン化

説明

・クレジットカード番号を別の文字列(トークン)に置き換えて決済を完了させるセキュリティ対策

・トークン化されたデータが盗まれても、クレジットカード情報に復元できない


EMV 3-Dセキュア

説明

・ECサイトの決済時に、利用者にクレジットカード情報に加えて追加の認証情報の入力を要求する

・不正利用犯者によるなりすましを防止できる、チャージバックが発生するリスクを抑えられる


不正検知サービス

説明

・購入者のメールアドレスや位置情報などから不正利用を検出できるサービス

・不正な注文や疑わしい決済を未然に止められる

チャージバックへの対策について、より詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。 >>「3Dセキュアでカードの不正利用、チャージバック対策は可能?EMV 3-Dセキュアの特徴や弱点について」はこちら >>「チャージバックとは?悪用、不正利用への対策と泣き寝入りしないための対応策」はこちら

決済システムやサービスの柔軟性

キャッシュレス決済にはクレジットカード決済の他にも、キャリア決済やコンビニ決済、口座振替、QRコード決済などさまざまな方法があります。利用者は自身に合う決済方法がなかった場合、サイトから離脱するおそれがあるため、豊富な決済方法を用意しておきたいところです。 そのため決済代行会社を選ぶ際は、自社にあった決済システムにカスタマイズしてくれるか、豊富な決済方法に対応しているかなどを確認しておくとよいでしょう。

サポート体制

アクワイアラーや決済代行会社のなかには、加盟店専用の電話やメール窓口の他、クレジットカードや決済サービスを利用する自社の顧客(利用者)のサポートを用意している場合があります。貴社のニーズにあう体制やサービスがあるか確認しておきましょう。

結論

クレジットカードによるオンライン決済を導入すると、利用者にとっては決済の選択肢が広がり、そのうえお得に買い物ができる可能性もあります。一方、加盟店側にも、利用者層を広げられる、未回収リスクを減らせるといったメリットがあります。 クレジットカード決済を導入するには、クレジットカードブランドとの直接契約と、決済代行会社を通じて複数のアクワイアラーと契約をする方法があります。導入や運用にかかる負担、セキュリティ対策の面を考えると、基本的には決済代行会社と契約する方法を推奨します。 近年ではクレジットカード決済以外の決済方法のシェアも拡大しつつあるため、決済代行会社を比較する際には豊富な決済方法に対応できるかも確認しましょう。

Adyenのサービスで実現できること

Adyenはアクワイアラーとして、日本だけでなくアメリカやブラジル、香港、ヨーロッパなどでアクワイアリングライセンスを有しています。そのため、世界中どこでも最適な方法で安心安全な決済処理をおこなうことが可能です。また、決済代行会社として、貴社のクレジット決済の導入から決済ジャーニー全体の最適化までを支援しています。 Adyenのオンライン決済システムはAPIを活用した柔軟なカスタマイズが可能で、幅広い顧客のニーズに対応できます。さらに、クレジット決済以外のオンライン決済手段を追加した場合でも、各決済データを一元管理できるため管理コストが増えることはありません。 クレジットカード決済の導入をお考えの際は、ぜひAdyenにご相談ください。

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