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オンライン決済システムとは?決済代行サービスの導入方法や事例について

オンライン決済システムは顧客の多様な決済ニーズに対応する上で有効です。この記事では、オンライン決済システムの種類や導入方法、導入時のポイントを解説します。

12月 1日, 2024
 ·  5 分
Stylized laptop with various financial graphs and security icon connected in a network.

近年多様化が進む顧客の決済手段。ECサイトや実店舗、あるいはその両方を運営している場合、その対応や管理に苦慮するケースも多いのではないでしょうか。 複数の決済手段を管理する際に有効なのが、オンライン決済システムです。この記事では、オンライン決済システムを導入するメリットや方法、導入時のポイントを解説します。

オンライン決済システムとは?

オンライン決済システムとは、インターネットで商品やサービスの決済やその管理ができるシステムのことです。 代表的なオンライン決済には、クレジットカード決済や口座振込、コンビニ払い、キャリア決済などさまざまな方法があります。しかし、各オンライン決済を導入するには、審査や登録が必要になる他、運用コストもかかります。 オンライン決済システムを導入すれば、これらの決済をまとめて管理できるため、事業者が決済処理する際にかかるコストが軽減し、多様化する顧客の決済ニーズにスムーズに対応できるようになります。

オンライン決済システムの種類

オンライン決済システムは大きく3種類に分けられます。自社に合ったオンライン決済システムを見つけるために、まずはそれぞれの特徴を確認しておきましょう。

オンライン決済対応型

オンライン決済対応型は、ECサイトやインターネット上で売り手と買い手を結びつけるマーケットプレイスなどのWeb決済に特化したオンライン決済システムです。 API型オンライン決済を活用して決済用URLを送信し顧客に決済してもらうサービスや、BNPL(Buy Now Pay Later)という後払いに対応した決済サービスもあります。

ECサイトと実店舗対応型

ECサイトと実店舗対応型は、ECサイトと実店舗の両方を展開している事業者向けのオンライン決済システムです。 店舗専用の決済端末を利用し、店舗の決済データとECサイトの顧客データを一元管理できるのが特徴です。また、オンライン・オフラインのどちらの決済でも対応できるよう、クレジットカードやQR決済などさまざまな決済手段に対応しています。

Webサービス・SaaS・アプリ対応型

Webサービス・SaaS・アプリ対応型は、決済の自動化や、サービス利用中のプラン変更や日割り計算、支払日の設定などにも柔軟に対応できるオンライン決済システムです。 こうした特徴から、クラウド上のソフトウェアをインターネット経由で利用できるSaaSや、サブスクリプションでサービスを提供している事業者に向いています。

オンライン決済システムの導入方法

オンライン決済システムは自社で開発することもできますが、決済代行サービスやシステムを利用する方法もあります。ここでは、両者の特徴とメリット、デメリットをご紹介します。

自社でシステムを開発する

自社の事業に合ったオンライン決済システムをオリジナルで組み込みたい場合は、自社でシステムを開発するとよいでしょう。 自社で開発すれば、自社内で決済が完結する仕組みを構築できます。また、自社ブランドの世界観を反映したインターフェースを構築したい場合も、他社に依頼するより自社内のほうがイメージを共有しやすいため、より理想に近い仕組みを作り上げられるでしょう。 ただし、自社でシステム開発をするには、自社に十分なITスキルを持った人材やセキュリティ対策に詳しい人材が必要です。決済システム構築のノウハウが蓄積されていないと、開発コストがかさむ他、導入までに時間を要する可能性があります。

決済代行サービス(システム)を利用する

オンライン決済システムの導入にあたって、事業者と各決済会社の仲介役を果たす決済代行サービスを利用する方法もあります。決済代行サービスとは、クレジットカード決済やコンビニ決済、キャリア決済といった複数の決済手段をまとめて契約できるサービスのことです。 決済代行サービスに依頼をすると、決済サービスの導入に必要な契約手続きを代行してもらえる、新たなオンライン決済を導入したいときの手続きやカスタマイズが容易になる、などのメリットがあります。また、オンライン決済システムを自社で1から開発する必要がないため導入までのスピードやコストが大幅に削減できるうえ、高度なセキュリティ対策もされています。 しかし、決済代行サービスがすべてのオンライン決済を取り扱っているとは限りません。将来的に追加したいオンライン決済手段が出てくるかもしれないため、幅広いオンライン決済に対応している決済代行サービスを選ぶことが重要です。

決済代行を利用してオンライン決済システムを導入するメリット

続いて、決済代行を利用してオンライン決済システムを導入するメリットをより具体的に解説します。

導入コストを削減できる

自社開発の場合は各決済手段に合わせて審査や契約処理、システム対応にあたる必要があり、多くのコストと時間を必要とします。しかし、決済代行会社を利用すればそのコストや時間を大幅に削減できるため、結果的に導入までの時間も短縮できます。 また、自社開発の場合はオンライン決済を提供している各業者と個別に手数料交渉をする必要がありますが、すでに複数のサービスプロバイダーと取引している決済代行会社を通せば一括で手数料交渉をおこなえます。また、決済代行会社は価格交渉力も高いため、有利な手数料で利用できる可能性があります。結果、自社の収益アップにつながるでしょう。

決済手段の導入や拡張がしやすい

利用者によって好みの決済手段は異なります。利用者は、自身の望む決済手段に対応していないと、決済をあきらめてサイトを離脱するケースもあります。こうした販売機会の喪失を防ぐためにも、幅広い決済手段に対応しておくことが重要です。 決済代行会社を利用すれば、仮に複数の決済手段を導入する場合でも、一括で必要な手続きを代行してくれるため、スムーズに追加することができます。

セキュリティリスクに対応できる

オンライン決済の懸念点として挙げられるのが、不正利用によるチャージバックや顧客情報の流出です。 チャージバックとは、不正利用などを理由にクレジットカード利用者がカード会社に請求内容の異議を申し立て、売上代金の返還を求めることです。クレジットカード利用者の要求に応じてカード会社が売上を返還すると、販売元である加盟店はカード会社に利用代金を返還しなければなりません。商品が戻る可能性も低いため、加盟店は損失を被ることになります。 また、顧客情報が外部に流出すると企業としての責任が問われ、社会的な信用を失ってしまいます。情報流出した事業者から商品を買おうと思う人は少ないため、顧客の減少にもつながってしまうでしょう。 その点、決済代行会社のオンライン決済システムは、クレジットカード決済の際にカード番号や有効期限に加え、クレジットカード会社で登録したパスワードとIDを入力して認証をおこなう「3Dセキュア」や、不正取引のリスクが高い取引を前に検知する「不正検知システム」などの強固なセキュリティ対策が施されているため安心です。また、万が一、不正利用による被害が発生した際には、決済代行会社の補償サービスが利用できる場合もあります。 なお、経済産業省は2025年3月末までに原則すべてのEC加盟店に、3Dセキュア2.0(EMV 3-Dセキュア)の導入義務を発表しています。 3Dセキュア2.0(EMV 3-Dセキュア)の導入義務化について、より詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。 >>「EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)の導入が義務化!背景や必要な対応と注意点について」はこちら

決済業務が効率化される

オンライン決済システムを導入していないと、決済手段ごとに決済データの集計や管理をしなければなりません。しかし、システムを導入すればすべての決済手段が一括管理できるため、決済業務の効率化が図れます。また、決済プロバイダーごとに異なる入金サイクルも1つにまとめられるため、入金管理業務の軽減にもつながります。

オンライン決済システムを導入するうえで検討したいポイント

次に、オンライン決済システムを選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。

決済システムとビジネスモデルの親和性はどうか

前述したとおりオンライン決済システムには、「オンライン決済対応型」「ECサイトと実店舗対応型」「Webサービス・SaaS・アプリ対応型」の3つがあります。ECサイトのみで店舗を展開しているのか、実店舗もあるのか、サブスクリプションなどの会費制かなど、自社のビジネスモデルと親和性が高い決済システムを選びましょう。 また、入金サイクルが自社の運営状況に合っているかどうかもポイントです。資金繰りの悪化を避けたい事業者は、即日入金など入金サイクルが早いシステムを導入するという考え方もあります。

導入や利用にどれくらいコストがかかるか

オンライン決済システムを導入するにあたっては、どのようなコストがどれくらいかかるのかを確認しておきましょう。 オンライン決済システムにかかる費用としては、システム利用料や管理費用、決済手数料などがあります。利用者が選択する決済手段や自社の事業規模によっても手数料が変わるため、事前に確認しておきましょう。

多様なオンライン決済手段に対応しているか

クレジットカード決済やQRコード決済、キャリア決済など、多様な決済手段に対応できれば、より多くの利用者のニーズに対応でき、売上アップにつながります。 そのため、オンライン決済システムを選ぶ際は多くの決済手段に対応したシステムを選ぶことが大切です。 また、後日新しい決済手段を導入するときに柔軟に追加できるか、異なる決済手段のデータを一括で管理できるかどうかも重要なポイントです。 オンライン決済について、より詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。 >>「オンライン決済(Web決済)とは?種類やメリット、導入方法について」はこちら

オンライン決済のセキュリティは万全か

オンライン決済システムを導入すれば顧客と自社の利便性が高まりますが、顧客情報の漏洩や不正利用のリスクがあります。そのため、導入を検討しているオンライン決済システムが3Dセキュアや不正検知システムといったセキュリティ対策に対応しているかを確認しましょう。 とはいえ、セキュリティ対策のために、すべての決済に複雑なユーザー認証を設けていると、利用者の認証に時間がかかってしまい、カゴ落ちのリスクが高まります。そのため現在では、不正利用のリスクが高いと判断された決済のみIDやパスワードの入力を求められるリスクベース認証が多く利用されています。

決済処理以外の機能・サポートが充実しているか

オンライン決済システムを導入したものの、認証が煩雑化したり方法が変わったことが原因でカゴ落ちが増加し、決済完了率が低下してしまう場合があります。 このような運用開始後の問題についても改善できる機能が備わっているか、あるいはサポート体制があるかを確認しておきましょう。決済代行会社に手続きを一本化できても、サポート体制が整っていなければ、決済関連業務の効率改善や売上アップは難しくなります。

オンライン決済システム導入事例の紹介

最後に、Adyenのオンライン決済システムを導入した事例を2つご紹介します。

決済手段のローカライズで購入者数・売上増加(FCバイエルン)

FCバイエルンは、会員数30万人を誇る世界を代表するサッカークラブの一つです。 FCバイエルンが提供しているのはスリリングな試合だけではなく、本拠地であるAllianz Arenaスタジアムの観覧やミュージアムの見学といった体験側コンテンツ、実店舗・Eコマースでのグッズ販売、定額制の試合動画配信プラットフォームなど多岐にわたります。しかし、サービスが豊富である分、さまざまな決済手段に対応しなければならず、その処理の複雑さに課題を抱えていました。 また、FCバイエルンはオンライン展開を通じて世界中のファンの心をつかんでいますが、ファン層が世界に急拡大することで決済手段のローカライズにも対応しなければなりませんでした。 そこでFCバイエルンは、複数のオンラインチャネル・オフラインチャネルでの決済をを一括管理できるできるAdyenの「ユニファイドコマース」を導入しました。その結果、すべての決済プロセスが1つのプラットフォームに統合され、大幅に決済処理効率が改善されました。

また、ローカライズ対応においても、一般的な決済手段に加えてグローバルな決済手段にも対応。それにより世界中の見込み客にアプローチできるようになり、購入者と売上の増加につながっています。

詳しくはこちらをご覧ください。

>>「FCバイエルン」の導入事例はこちら

強固なセキュリティで不正利用数・コストを削減(オーストラリアの小売大手True Alliance)

オーストラリアの小売大手True Allianceは19の世界的ブランドを扱い、23のECサイトと約100店舗を展開しています。

当初、True Allianceは幅広いオンライン決済と対面決済に対応するため、複数のプロバイダーと関係を結んでおり、決済システムが複雑化していました。また、当初は決済ゲートウェイとは別の不正対策エンジンを持ち、複数の異なる決済ゲートウェイを使用していたため、照合プログラムが複雑化しており、不正利用に対して有効な対策が取れずにいました。 しかし、Adyenの不正防止エンジン「RevenueProtect」を導入したことで、すべての自社ブランドとチャネルで迅速かつ容易に不正取引に対応できるようになりました。その結果、不正利用を3.5%から0.1%未満に減らすことができ、年間約140万ドルのコスト削減に成功しています。 さらに、Adyenの決済システム導入により、True Alliance社が事業を展開しているオーストラリアとニュージーランドの全域で窓口と契約が一元化された他、WeChat PayやAlipay、Apple Payなど新しい決済ベンダーを簡単に追加できるようになりました。

詳しくはこちらをご覧ください。

>>「True Alliance」の導入事例はこちら

結論

オンライン決済システムには、大きく「オンライン決済対応型」「ECサイトと実店舗対応型」「Webサービス・SaaS・アプリ対応型」の3つがあります。自社のビジネスに適したシステムがどれかを判断するためにも、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知っておくことが大切です。 オンライン決済システムを導入するには、自社でシステムを開発する方法と決済代行サービスを利用する方法があります。幅広い利用者のニーズに対応できるよう複数の決済手段を導入する場合やECサイトと実店舗など複数の販売チャネルを持っている場合は、手続きの手間やコスト、システムの柔軟性などを考慮すると決済代行サービスを利用するほうがよいでしょう。

Adyenのオンライン決済システムの紹介

Adyenは、世界中の一般的な決済手段と現地通貨に広く対応したオンライン決済システムを提供しています。また、グローバルに事業を展開している、あるいはこれから展開していきたいと考える多くの企業に有効な決済サービスを展開しています。

APIなどオンライン決済を導入する多様なオプションを用意している他、さまざまな決済手段を容易に追加できる柔軟性も兼ね備えています。また、ECサイトと実店舗など、異なる販売チャネルの決済データを一元管理できるため、管理コストの削減にも貢献します。

さらに、大手クレジットカード5社が共同で策定したセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠しており、3Dセキュア2.0(EMV 3-Dセキュア)不正利用検知システムなど高いセキュリティ技術も有しているため、安心安全な決済体験を提供することができます。

多くの利用者の決済ニーズに対応したい、複数の販売チャネルがあり管理業務を簡素化したいとお考えの際は、ぜひAdyenのオンライン決済システムの利用をご検討ください。

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