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オンライン決済(Web決済)の種類は?特徴やメリット、導入方法について

オンライン決済にはクレジットカードやコンビニ決済などさまざまな方法があります。この記事では、オンライン決済の種類や選ぶときのポイントについて解説します。

11月 17日, 2024
 ·  5 分

オンライン決済を導入したいものの、「種類が多く、どれが自社に合っているかわからない」という人も少なくないでしょう。また、オンライン決済を導入するにあたってどのくらいコストがかかるのか、不安な人もいるかもしれません。 この記事では、オンライン決済の種類やメリット、デメリット、選ぶときのポイントについて解説します。

オンライン決済(Web決済)とは?

オンライン決済とは、インターネットを通じて商品やサービスの代金を支払う決済方法のことです。 オンライン決済では従来のように紙幣や硬貨をやり取りする必要がなく、クレジットカードやスマートフォンのみで決済できるケースも多いため、利用者の利便性を高めることができます。そのため、ECサイトはもちろん実際の店舗でもオンライン決済を導入しているケースが増えてきています。 一方、インターネットを経由せずに店舗で支払いをする方法を、オフライン決済といいます。オフライン決済では、店舗が用意した端末を利用して利用者が暗証番号を入力したり、サインをしたりして決済をします。 このように、インターネット上で支払いが完結するか、対面での決済が必要かが両者の違いです。

【利用者側】オンライン決済のメリット

ここからは、オンライン決済を導入した場合の利用者のメリットを具体的にご紹介します。

利便性が高まる

利用者側のメリットとして、「利便性が高まる」という点が挙げられます。 例えばECサイトの場合、オンライン決済に対応していれば時間や場所を選ばずにすぐに決済を完了できるため、利用者は商品やサービスを購入しやすくなります。 また、オフライン決済のように利用者が現金を支払ったり事業者がお釣りを返したりする手間がなくなり、支払いにかかる時間が短縮されます。

決済手段が豊富なため決済方法を選べる

クレジットカードやキャリア決済、QRコード決済など、オンライン決済は多様化しています。 サービスによっては、支払金額に応じてポイントが貯まる、特定の店舗で支払うとポイントが倍になる、優待価格で特定の商品やサービスを購入・利用できるものもあります。 利用者は自身の生活パターンやライフスタイルに合った決済方法を選ぶことができれば、よりお得に買い物ができるでしょう。

支払い記録を残せるため管理しやすい

オンライン決済をすると支払い記録(支払い履歴や利用明細)が残せる点もメリットとして挙げられます。これにより、個人で家計管理をするときや事業者が支出管理をしたいときに容易に確認ができます。

【加盟店側】オンライン決済を導入するメリット

次に、加盟店側から見たオンライン決済導入のメリットを見ていきましょう。

販売機会の拡大につながる

オンライン決済を導入すると、利用者が希望する決済方法を提供できる可能性が高いため、顧客満足度の向上と販売機会の拡大につながります。 実際、ユーザーがECサイトで商品やサービスを購入する際、自身がよく利用する決済手段がないと半数近いユーザーがサイトから離脱するというデータもあります。 オンライン決済方法を複数用意しておけば、こうした購入意欲があるユーザーの離脱を防げる可能性が高まります。さらに通貨の枠組みを超え、世界中の利用者に商品を購入してもらえる可能性もあります。

収益の増加につながる

複数のオンライン決済を用意しておくと、前述したように利用者の利便性が高まります。また、場所や時間を選ばずに買い物ができるようになるため購入意欲が低下しにくく、収益の増加が期待できます。 商品を選択したにもかかわらず決済に至らない、いわゆる「かご落ち」の抑制にもつながるでしょう。

ソーシャルコマースに対応しやすくなる

オンライン決済は、ソーシャルコマースによる販路拡大にも活用できます。

ソーシャルコマースとは、ECサイトに移動することなく、SNSで集客から販売まで完結できるサービスのことです。オンライン決済を導入すれば、利用者はSNSの投稿や広告を見て気に入った商品やサービスをその場で購入できるようになるため、購買のハードルが下がります。

実際、「Adyen Japanリテールレポート2024」によると、ソーシャルコマースを導入した日本の小売企業のうち73%が、導入後の利益成長を報告しています。

出典:Adyen Japanリテールレポート2024 ※2024年1月15日~2月1日で実施し、各国の企業13,177社(うち日本の企業は503社)を対象に調査

決済や売上の管理にかかる負担が軽減する

オンライン決済では、顧客情報や購入履歴といった支払い記録が残るため、売上管理や分析がしやすくなります。データをマーケティングやカスタマーサービス向上のために活用することも可能です。 また、ECサイトにおいて利用者が後払い決済で買い物をした場合、代金が支払われないリスクもあります。このようなときにオンライン決済サービスを利用すれば、自社に代わって入金管理をしてくれるため、入金漏れリスク軽減や入金管理業務の軽減につながります。

オンライン決済手段の種類

オンライン決済には数多くの方法があります。自社にどの決済方法が合っているか把握するためには、まず各オンライン決済の特徴を理解することが大切です。ここでは、主なオンライン決済手段を6種類ご紹介します。

決済方法1:クレジット、デビットカード決済

クレジットカード決済とは、クレジットカード番号を入力したり、カードを提示することで商品やサービスの代金を支払う方法です。

総務省の情報流通行政局が発表した「令和5年通信利用動向調査報告書(世帯編)」によると、クレジットカード決済はECサイトでの買い物で最も利用されていることがわかります。

【インターネットを使って商品を購入する際の決済手段(令和5年)】

クレジットカード払い(代金引換時の利用を除く)

割合(令和5年)

76.7%


電子マネーによる支払い(○○ペイなどのQRコード決済、楽天Edy、Suicaなど)

割合(令和5年)

38.5%


コンビニエンスストアでの支払い

割合(令和5年)

34.7%


銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替

割合(令和5年)

23.0%


インターネットバンキング・モバイルバンキングによる振込

割合(令和5年)

21.9%


代金引換

割合(令和5年)

17.8%


通信料金・プロバイダ利用料金への上乗せによる支払い(キャリア決済)

割合(令和5年)

16.2%

出典:総務省 情報流通行政局 「令和5年 通信利用動向調査報告書 (世帯編)」

クレジットカード決済では、カード発行時にイシュアー(カード会社)がカード保持者の信用審査をおこなうため、後払い(ポストペイ)が利用できるという特徴があります。

一方、デビットカード決済は、決済方法はクレジットカードと同じですが後払いではなく、銀行口座から即座に支払う即時払い(リアルタイムペイ)が一般的です。そのため、銀行残高以上にお金を使い過ぎる心配がありません。

加盟店側としては、オンライン決済でクレジットカード払いを利用する人が多いことや、分割払いやリボ払いなど多様な支払方法にも対応できることから導入により販売機会の拡大が期待できます。また利用者の代金はカード会社が立て替えるため、加盟店は未回収リスクが回避できるメリットもあります。

クレジットカードによるオンライン決済について、より詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。

>>「クレジットカードによるオンライン決済を導入するには?メリットや注意点について」はこちら

決済方法2:銀行振込決済

銀行振込決済とは、利用者が商品やサービスを購入後、銀行窓口やATM、インターネットバンキングで代金を支払う決済方法です。代表的な方法としては、「Pay-easy(ペイジー)」があります。Pay-easyは、請求書に「Pay-easy」マークの表示がある、あるいはECサイトの決済方法に「Pay-easy」がある場合に利用可能です。 銀行振込決済には、支払代金が自動的に口座から引き落とされる口座振替も含まれます。口座振替は、サブスクリプションビジネスなど、継続的にサービスや商品を提供する場合に適しています。毎月決まった時期に自動で引き落とされるため、利用者は支払いを忘れる心配がなく、加盟店にとっても、未回収リスクの軽減につながります。

決済方法3:キャリア決済

キャリア決済とは、各携帯のキャリアのパスワードやID認証を利用し、携帯電話利用料と合算してECサイトの利用代金を支払う方法です。利用者には携帯電話の利用代金と一緒に請求されるため、支払日の管理が楽になります。 決済代行会社経由でキャリア決済を導入する場合、決済に必要な各携帯キャリアとの契約は決済代行会社がおこないます。そのため加盟店は、決済代行会社と契約をおこなうだけで各キャリアの決済サービスを利用できるようになります。

決済方法4:後払い決済

後払い決済とはその名のとおり、ECサイトで買い物をした代金をあとでコンビニや銀行などで支払う決済方法です。今買ってあとで支払う「Buy Now Pay Later」の頭文字を取って「BNLP」と呼ばれることもあります。 ユーザーが後払いを利用する場合、まずECサイトで後払い決済を選択します。次に、メールアドレスと携帯電話の番号を入力するとSMS経由で認証コードが送信されるため、その認証コードを入力すれば買い物が完了します。代金は後日、コンビニや口座振替、銀行口座への振込といった方法で支払います。 後払い決済では、購入時に入力する項目が少ないため、ユーザーが途中離脱するリスクを抑えられます。また、与信の審査や請求書の発行、代金回収は後払い決済業者がおこなうため、EC事業者の負担が軽減されます。

決済方法5:コンビニ決済

コンビニ決済とは、ECサイトで購入したときに表示される決済画面やメールで受け取った払込番号を使ってコンビニで支払う方法です。なかには、後日送付される払込票をもとに支払う方法もあります。コンビニは24時間365日営業している店舗が多いため、利用者がいつでも支払えるメリットがあります。 加盟店のメリットとしては、決済後数分から1時間程度で入金確認ができることが挙げられます。入金確認後に商品を発送できれば、商品代未回収や購入キャンセルのリスクを軽減できるでしょう。 コンビニ決済について、より詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。 >>「オンラインコンビニ決済とは?メリットや注意点、導入方法について」はこちら

決済方法6:QRコード、リンク決済

QRコードとスマートフォンのQRコード読み込み機能を組み合わせて決済に応用したのがQRコード決済です。 店舗が提示したQRコードを利用者がスキャンする「店舗提示型」と、利用者がアプリでQRコードを表示して店舗側が端末で読み取る「顧客提示型」があります。 ECサイトで利用する場合は、購入画面で対象のQRコード決済サービスを選択してアカウントを連携させて残高で支払いをおこないます。 利用者側はスマートフォンさえあればQRコード決済を利用可能なことから、ECサイトでの買い物で多くの人が利用しています。また事業者側にも、導入が容易というメリットがあります。 リンク決済とは、ボタンやURLをクリックするだけで決済画面に遷移する決済方法です。決済画面に移行したあと、ユーザーはクレジットカードやキャリア決済などの決済方法を選択します。 リンク決済は加盟店がECサイトを作成しなくても、ブログのページやSNSに直接リンクを貼ったり、決済ボタンを設置したりすることができるため、利用者をスムーズに購入まで導くことができるでしょう。

オンライン決済手段を選ぶうえで検討したいポイント

多くのオンライン決済のなかから自社に合った決済方法を選ぶ場合、何を基準に選んだらよいのでしょうか。ここでは、そのポイントをご紹介します。

利用者のニーズと合うか

ここまでご紹介してきたように、オンライン決済には、クレジットカードやQR決済などさまざまな方法があります。そのため、利用者の年齢層や属性に合った方法を選びましょう。

例えば、10代~20代の利用者が多い場合は、スマートフォンで決済をすることを想定してキャリア決済やQR決済を検討する、クレジットカートを所持していない層のためにコンビニ決済も導入するという方法が考えられます。

その他、提供サービスや商品の内容に合わせて決済方法を検討するのも有効です。 例えば、会費など毎月定額でサービスを提供する場合は、支払い忘れのリスクが少ない口座振替を選んでもよいでしょう。

このように、利用者の属性や自社の提供商品、サービスによって適した決済方法が異なるため、複数の決済方法を検討することが大切です。

実際、スイスのスポーツウェア小売企業の「On」では、顧客が希望する方法で支払いをおこなえるよう、多様な決済方法を導入しています。それにより、対面とオンラインの両方で同じサービスを提供することが可能となっています。

この事例について、より詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。

>>「スイスから東京へ:Onがマルチチャネル小売の先頭を走る」はこちら

導入にかかる手数料やコストはどうか

オンライン決済を導入すると、初期費用や月額費用、決済手数料、サービス手数料などさまざまな費用がかかる場合があります。 複数のオンライン決済方法を用意すれば利用者の利便性は高まりますが、事業者側のコスト負担が大きくなってしまうため注意が必要です。

セキュリティ対策はどうか

インターネット上で取引をする以上、サイバー攻撃による情報漏洩や不正利用のリスクは常につきまといます。こうしたトラブルが発生すると、自社のECサイトは大きく信頼を失ってしまいます。こうしたリスクを避けるためにも、オンライン決済を選ぶときは認証サービスや不正検知機能などの対策が講じられているかを確認しましょう。 例えば、オンライン決済のセキュリティ対策には次のようなものが挙げられます。

EMV 3-Dセキュア(本人認証サービス)の導入

特徴

クレジットカードを使用してECサイトで決済する際、カード番号や有効期限だけでなく、IDやパスワードなどの情報で追加認証をすることでセキュリティを高める。


PCI DSS準拠

特徴

国際カードブランド5社が策定したクレジットカード情報保護のための情報セキュリティ基準「PCI DSS」。必要なセキュリティ対策を講じていることをアピールできる。


不正検知サービスの導入

特徴

購入者のメールアドレスや決済場所の情報などから、商品の配送や提供前に不正利用を検出するサービス。

入金のタイミングはどうか

オンライン決済を提供している事業者から加盟店の口座に売上が入金されるまでには時間がかかります。資金繰りの都合上、入金を早くしたい加盟店は、入金サイクルも重視しなければなりません。入金サイクルは、利用する決済サービスや契約条件により異なるため、確認しておきましょう。

オンライン決済を導入する方法

オンライン決済の導入方法は、サービスを提供する決済機関と直接契約をする方法と、決済代行会社を利用して複数の決済方法を一括で導入する方法があります。 決済機関と直接契約をしたほうが手数料を安く抑えられる可能性はありますが、セキュリティ対策や情報漏洩などのトラブル対応は自社でおこなわなければなりません。また、各決済機関との契約手続き、管理業務などが負担になるため注意が必要です。 一方、決済代行会社を利用すると、ここまで紹介してきたような決済手段を一括で導入することが可能です。クレジットカードブランド各社への手続きがスムーズになるほか、導入コストの削減や十分なセキュリティ対応、管理業務の効率化など、さまざまなメリットが得られます。 決済代行会社を利用する際の手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 決済代行会社のサイトに問い合わせをする

  2. 決済代行会社の担当者に要望や課題点を伝える

  3. 決済代行会社に自社に合ったオンライン決済手段を提案してもらい、見積りを提示してもらう

  4. 決済代行会社にオンライン決済の導入を申し込む

  5. 決済機関の審査を受ける

  6. 審査通過後、決済代行会社がEC事業者向けの決済システム環境を構築する

  7. オンライン決済の利用を開始する

結論

オンライン決済にはさまざまな方法がありますが、利用者の年齢や属性、提供商品やサービスの種類などによって適した決済方法が異なります。 そのため、それぞれの決済方法の特徴を考慮し、自社に合った方法を選ぶ必要があります。また、導入する場合はセキュリティ対策や手数料も考慮しなければなりません。 オンライン決済を導入する方法には、決済機関と直接契約する方法と決済代行会社を利用する方法の2通りがあります。特に利用者の利便性とセキュリティ対策を両立させながら多くのオンライン決済方法を導入したい場合は、決済代行会社の利用をおすすめします。 今後ますますオンライン決済のニーズが高まっていくことは間違いないでしょう。そのなかで、自社の商品やサービスの購入につなげるために多様なオンライン決済を導入することは欠かせない取り組みなのです。

Adyenのオンライン決済システムの紹介

Adyenの決済システムは、ECサイトや実店舗など各チャネルからの決済に対応し、一元で管理できる統合プラットフォームです。複数の決済サプライヤーと個別に契約することなく、クレジットカードやデビットカードなど、顧客が望むさまざまな決済方法に対応できるようになります。

また、顧客の購入データは在庫管理や他の利用者への商品提案に活用できるため事業運営にも役立ちます。

Adyenの決済システムは世界中の決済方法に対応しているため、グローバル企業での導入にも有効です。さらに、今後拡大が見込まれるソーシャルコマースに対応する「Pay by Link」というリンク型決済も用意しています。

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